みなさんは「水中毒」という症状についてご存知ですか?
連日暑い日が続いており、川や海、湖で遊ぶ方も多いのではないでしょうか?
熱中症対策に、わんちゃんも水分補給を欠かさず管理されているかと思います。
ですが…「水中毒」にご注意ください。
「水中毒」とは?
人間の症状でも聞いたことがあるのではないでしょうか。
「低ナトリウム血症」とも呼ばれ、短時間で大量の水を摂取することで、体内の塩分濃度が薄まり、神経や筋肉に異常をきたします。
犬の場合、1日、体重1kgあたり50~60mlの水分が必要とされ、体重10kgの犬で1日あたりペットボトル1本分の水分補給が必要ということになりますね。
これは無活動時の必要水分量ですので、もちろん運動時には更に必要となりますが、一気にではなく、こまめに少量ずつ摂取させなければなりません。
一気に摂取させてしまうと、前述の通り体内の塩分濃度が薄くなってしまいますので、水中毒になりかねません。
水中毒は最悪死に至ります。
どのような症状が出るのかと言うと…
軽症の場合
・元気がない
・ぐつたりしている
・ふらつき
・お腹がふくれる
・よだれが垂れる
・ふるえ
・嘔吐
重症の場合
・力が入らない
・呼吸困難
・けいれん
・昏睡状態
などです。
予防方法は?
・「短時間」を「回数多く」遊ばせる
「せっかく川・湖に来たんだし」との思いから、長時間遊ばせる方が見受けられますが、NGです。
・こまめにトイレさせ、体内の水分を排出させる・おもちゃを使って遊ぶときは、特に短めに
おもちゃをくわえることで口が完全に閉じなくなり、飲水量が増えるため。
我が家は薄いおもちゃを使って遊びますが、10分以上水中で遊ぶことはありません。
・犬用のスポーツドリンクや、経口補水液を飲ませる
・水しぶきで遊ぶ子には要注意、遊ばせすぎも注意
・ウェブライダーを着用する
→我が家比べですが、ウェブライダーを着用したのとしないのでは、着用していた方が首が上がるため、水が口に入りにくいです。
水中毒とは逆に、海で遊ぶことで起こる塩中毒(高ナトリウム血症)もあります。
症状として、
・大量の水を欲しがる
・下痢
・嘔吐
・ぐったりしている
・よだれが出る
など、水中毒と似た症状も出ることがあります。
塩中毒の怖いところは、進行が遅いことで、2~3日後に症状が重くなる事もあります。
日本の海の塩分濃度はおよそ3.4%で、海水100mlあたり3.4gの塩分が含まれています。
犬の1日に必要な塩分量は、体重1kgあたり0.127gで、致死量となる量は、体重1kgあたり1.016gです。
水中毒・塩中毒の他にも、水遊びで気をつけたいこと
・河原や海水浴場のルール
→犬立ち入り禁止では無いか、まず確認が必要です。
・遊び場付近の動物病院を調べておく
→水遊びだけでなく、普段の旅行でも調べておくと良いです。
・肉球の損傷
→熱い砂浜、砂利や火山岩でなりやすいです。我が家では靴をはかせて沢遊びをしたことがあります。靴も無くしてしまいますので、バンテージ(自着ホータイ)を巻き、靴をはかせ、テーピングでバンテージに重なるよう(テーピングが毛につかないよえバンテージを巻いています)貼り付けると、靴を無くす可能性が減ります。
・低体温症
→毛の短い子や暑い国が原産の犬種、シングルコートの犬種は特に寒がりの子が多いため、冷たい水には注意し、水から上がったら良く拭きましょう。耳の中も蒸れて外耳炎などの原因になりますので、優しく拭いてあげてください。タオルがたくさん必要になりますが、人間用のセームタオルがあると、絞って何度も使えるため、荷物が減り便利です。
・拾い食い
→BBQの跡や、クラゲやフグなどの危険生物が落ちていることがありますので、愛犬から目を離さないようにしましょう。
・アオコ(ラン藻)
→毒素を出す藻があります。
・帰宅後のシャンプー
→水遊びの後は、体に微生物が付着したままの可能性がありますので、水洗いでも構いませんから、帰宅したら洗いましょう。
・ノーリード
→呼び戻しの完璧な犬でも、人のいる場所でのノーリードは避けてください。自治体により、ノーリードが取り締まられています。取り締まりがなくても、犬が苦手な人も遊びに来ていることもありますので、気を遣いながら遊びましょう。
・キャンプ場での宿泊
→水遊びには関係ありませんが、水遊びができるキャンプ場もあるため注意喚起です。自分たち以外のお客さんが花火で遊ぶことがあります。たいていの犬は花火の音が苦手です。突然の音に驚いて、ロストの可能性があります(実際ロストした方を知っています)。
係留などで安心せず、リードや首輪など犬具の点検は欠かさず、不安であればダブルリードに、出来れば夜は必要以上に出さず、車やケージなどに入れ、ゆっくり休ませてあげてください。